
寒い朝、いつものように顔を洗って、うがいしようとしたとき。
冷たい水が歯に触れた瞬間。
キーン!
思わず、顔をしかめます。
「またか…。」
そう思いながら、毎年この冬の寒い季節をやり過ごしていませんか。
頭の中で色々考えます。
「たぶん、CMで言っている知覚過敏かな」
「前に歯医者さんで言われたし」
「様子をみればそのうちおさまるかも」
でも、少しだけ不安もよぎります。
「もしかして虫歯かしら」
「歯周病で歯茎が下がっているって言われたことがあったっけ。」
考えてみると、理由はいくつも思い当たるのに、どれなのかまったくわからない。
でも、痛みは一瞬だし、ずっと続くわけではない。
だからこう思います。
「とりあえず、様子をみよう」
数週間後。
今度は冷たいものだけでなく、歯ブラシが当たってもしみるようになってきました。
それでも、まだ我慢できます。
忙しいし、困るほどではないから。歯ブラシを当てなければよいのです。
そして、ある日。
甘いものがしみました。
「あれ?」
今までと、少し違う感覚があります。
ここで、やっと歯医者さんのお約束をとろうかな、と思います。
歯科医院で、先生にこう言われます。
「これは虫歯ですね。」
え、知覚過敏じゃなかったの?
そう思います。
でも実は、
知覚過敏でも、
歯茎が下がって根元が見えていても、
虫歯でも、
患者さんの感じる「しみる」はほとんど同じなのです。
自分では見分けがつきません。
そして、治療が終わった後、多くの方がこうおっしゃいます。
「もっと早く来ればよかった」
歯がしみる、というのは、歯のとても小さなサインです。
痛みが強くなってからではなく、
この小さなサインのうちに来ていただけると、
削らなくて済むこともあります。
神経を取らなくて済むこともあります。
歯そのものを、長く守れることもあります。
しみる理由は、ひとつではありません。
でも、共通していることがあります。
それは歯が「これ以上進まないで」と教えてくれているということです。
その声に、少しだけ早く気づいてあげられたら。
歯の未来は、ずいぶん変わります。
歯がしみる人へ
それは、歯からの小さな合図かもしれません。
参考文献
1. Brännström M.
A hydrodynamic mechanism in the transmission of pain-producing stimuli through dentine.
In: Anderson DJ (ed). Sensory Mechanisms in Dentine. Pergamon Press, 1963.
2. Brännström M, Aström A.
The hydrodynamics of the dentine; its possible relationship to dentinal pain.
International Dental Journal. 1972;22(2):219-227.
3. Addy M.
Dentine hypersensitivity: new perspectives on an old problem.
International Dental Journal. 2002;52(S5):367-375.
4. Canadian Advisory Board on Dentin Hypersensitivity.
Consensus-based recommendations for the diagnosis and management of dentin hypersensitivity.
Journal of the Canadian Dental Association. 2003;69(4):221-226.
5. Orchardson R, Gillam DG.
Managing dentin hypersensitivity.
Journal of the American Dental Association (JADA). 2006;137(7):990-998.






